最終更新日 2024年11月9日 by rosska
ZEHは正式には「Net-Zero-Energy-House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」という名称で、消費するエネルギーよりも創出するエネルギーのほうが上回る家を意味します。
普通の家は、エネルギーを消費するばかりでほとんど創出することはありません。
なぜ、そのような家が作られるようになったのかというと深刻になっていく地球環境問題を解決するためです。
エネルギーをつくるということは大量の資源を消費し、大気や土壌の汚染を招きます。
その結果として、地球温暖化問題などに悩まされるようになっているので、それをなんとかしなければいけないということでZEHの普及を推進しています。
エネルギーの創出と消費について
そのZEHですがエネルギーの創出が消費を上回るようにするためには、普通の家とは違った設備や構造にしなければいけません。
そこでどのような設備や構造が必要なのかということで、詳しく見ていきましょう。
ここでエネルギーの創出と消費について、それぞれの視点から設備・構造を挙げていきましょう。
創出
創出ですが、どうやったら家庭でエネルギーをつくれるのかというと、自然エネルギーを使うのが一般的です。
設備さえあれば手軽に発電ができるものとしては、太陽光発電システムを導入することが多いです。
そこで、屋根に太陽電池モジュール(太陽光パネル・ソーラーパネル)というセル(太陽電池素子)が貼り合わされた板を取り付けます。
太陽電池モジュールを屋根に取り付けるためには、土台となる架台が必要です。
さらにつくった電気を家庭で使えるようにするには、直流から交流へと変換するパワーコンディショナーや電気をためておくバッテリーなど用意しなければいけません。
なお太陽光発電システムを導入するときには、電力会社に売る売電をすることもあります。
しかし、この場合には、つくった電気は自分で使う自家消費をすることが主です。
自然エネルギーでは、風力発電もあり家庭用の機器も開発されています。
しかし、十分な電力を得るためには、風がよく吹くところに家がなければいけません。
しかも風が強すぎると、機器が壊れる可能性があるので風車が止まる仕組みになっており、発電ができないときもあります。
風は季節によって吹く方向が変わってきますから、その影響も考えなければいけません。
なので、風力発電でZEHの目的を果たすことは難しいでしょう。
消費
続いて、消費についてですが家庭でエネルギーを使うところと言えば、照明・空調設備・調理・湯沸かしといったことです。
照明であれば電力消費を抑えられるLED照明にしておく、湯沸かしは省エネタイプの給湯器を設置しておくと良いでしょう。
空調設備についてはエアコンは後で好きなものを設置できますから、家を建てるときではなく住み始めて住人が家電量販店などで省エネタイプのエアコンを購入しておけば十分です。
エアコンの他にも床暖房を一緒に取り付けることもでき、その場合にはヒートポンプ式温水床暖房機にしておくことで効率よく部屋を暖められ、なおかつ消費する電気が少なくなります。
調理で使う設備は、IHとガスのどちらかを選択します。
IHは火力が弱いと思われていますが、ガスと違って周囲のに放熱することがないので調理器具を素早く加熱できます。
ZEHで重要となるエネルギーの消費を抑えるということを考えれば、IHの方が良いでしょう。
ただ、IHに対応する調理器具を揃えなければならず、フライパンを振って炒めるといったことはできません。
IHを導入するのであれば、そういった点に注意が必要です。
断熱
そして、消費電力を抑えるためには、もうひとつ大事なポイントとして断熱があります。
夏に外気の熱が入ってきたら、室内を冷やすために大量の電気を使って冷房を動かさなければいけません。
逆に、冬になって室内の熱が外に逃げると、暖めるために電気やガスを使って暖房を動かします。
それならば、高い性能の断熱をしておけば、夏になっても室内は涼しく冬は暖かいので冷房・暖房でエネルギーを消費することがなくなります。
断熱をするためには、壁に高性能な断熱材を用いれば良いのですが、そこで内断熱と外断熱という2つの考え方があります。
内断熱というのは、柱の間に断熱材を敷き詰めたり埋めたりする工法で、従来からのやり方です。
手軽で安価なのですが断熱できない隙間もできるので、断熱性は落ちます。
そして外断熱は、建物の外側に断熱材をとりつける工法です。
こちらは、柱などを避けることはないので隙間なく断熱できます。
ただ、内断熱に比べるとコストが高くなりやすく、地震に弱いという問題もあります。
まとめ
ZEHを建てるならば、どちらか一方だけをやるよりも内断熱と外断熱をどちらもやるダブル断熱が一番の理想です。
とはいえ、外断熱だけでもコストが高くなるのに、ダブル断熱となればさらに負担が重くなります。
住宅ローンだけでなく自治体の補助金なども活用して、資金の問題を解決する必要があります。
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